マイカとは鉱物単体を指す言葉ではなく、地中にある深成岩に含まれる珪酸塩鉱物の雲母(うんも)から派生した鉱物グループの総称です。
グリーンマイカは、雲母のなかで最も一般的なムスコバイト(白雲母)に属しており、鉱石に含まれる成分の影響で深く美しい緑色に発色していることで知られています。
マイカは人の穏やかさを取り戻す切っ掛けや心に癒しを与えるヒーリングストーンとして人気ですが、一方で、電気関係の絶縁体や顔料、はたまた化粧品などといった広い用途で使われる工業用鉱物としても有名です。
そんなグリーンマイカについて紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
グリーンマイカの豆知識天然石コラム
産地について
グリーンマイカは、マグマが長い時間をかけて冷えて固まった深成岩やペグマタイトなどに含まれる白雲母の一種で、世界中の鉱床で産出されるポピュラーな鉱石です。産業用のマイカは中国、カナダ、フィンランドなど、いたるところでさまざまな色合いのものが産出されています。ただし、産地によって含まれている色の成分や含有量はまちまちで、色の濃淡やクオリティは取れる地域で大きく異なります。グリーンマイカの色合いが美しいもので市場に出回っているものの多くが、ブラジルのミナスジェライス州やマダガスカル、タンザニアなどのアフリカ諸国、インドなどで産出されています。日本でもペグマタイト鉱床から主に採掘されており、大型の結晶が取れることで有名な、福島県の石川町が代表的な産地として挙げられます。
マイカは、板状の鉱物が層になって生成されており、ナイフで簡単にはがせることから千枚はがしという名で呼ばれることがあります。
名前の由来について
グリーンマイカは、読んで字のごとく緑色をしたマイカのため、その名前で呼ばれています。マイカという名前は、ラテン語の「輝く」という意味を持つmicareを由来としてつけられました。日本でも産業等で使われるものは英名が使われていますが、一般的には和名の雲母も広く知られており、グリーンマイカは緑色を彩る成分により、正式にはクロム雲母と呼ばれています。雲母はその昔、「きらら」や「きら」などとも呼ばれていた歴史があるため、雲母という漢字をきららと呼んでも間違いではありません。
また、グリーンマイカはモスコバイト(白雲母)の一種でグリーンモスコバイトと呼ばれることもあるほか、クロムを微量に含んで鮮やかな発色を生み出している雲母のことを、バイエルン王国の鉱物学者、ヨハン・ネポムク・フォン・フックスに因んでフックサイトとも名付けられており、これらは同一の鉱物のことを指します。
グリーンマイカの見た目と輝きは?
グリーンマイカは、クロム由来の深い緑色に加えて、内包された金属成分がキラキラと輝くマイカ特有の見た目を併せ持つ天然石です。マイカは層状に生成されており、研磨すると層によって独特なまだら模様が生まれます。含有するクロムの量により緑色の濃淡が変わるため、一概にグリーンマイカと言っても同じ色とは言い切れません。グリーンマイカは基本的には白雲母をベースに生成されますが、稀に黒雲母にクロムが混じりグリーンマイカに転ずることがあります。その場合、白雲母の深くもどこか華やかな色合いよりも更に深く、かつ黒をベースにした荘厳な印象になります。
グリーンマイカのラメ成分は、共生しているほかの鉱物に影響を与えることが多く、アベンチュリンのキラキラとした輝きを指してアベンチュレッセンスと呼びますが、その元となる成分がグリーンマイカによるものというのは有名なお話です。また、クオーツにグリーンマイカを内包したグリーンマイカインクオーツ(フックサイトインクオーツとも呼ばれる)のほか、ルビーを取り込んだルビーインフックサイトなど影響を与えるだけではなく、与えられて違った風合いに変貌するのも雲母という鉱物のユニークなところです。
どんな効果が期待できる石なの?
グリーンマイカは、物事を一面だけではなく様々な観点から見る力を養う石の意味を持っています。一つのことに執着しすぎず多面的な見方をすることで、凝り固まった思考を柔軟にするといったプラスの効果が期待できます。判断に誤りがあったり、視点が一方的になってしまいがちな方に向いている鉱石といえるでしょう。
また、ヒーリング効果も非常に高いことで知られており、自分に自信がなかったり、ストレスでがんじがらめになった心を解きほぐし、ゆったりとした心でもって前向きに生きるきっかけをくれるような、ポジティブな石言葉を持っています。
こんなアイテムに加工されています
グリーンマイカは、深い色合いと輝きからアクセサリーとして人気が高く、ビーズやルースとして加工されて出回ることが多い鉱石です。
工業用としては、電気の絶縁体やマイカコンデンサ、化粧品や顔料など幅広い分野で活用されています。
グリーンマイカの基本情報(原産地や石言葉など。)
和 名:クロム雲母(くろむうんも)
色 彩:真珠光沢を持つ、緑色
石言葉:物事を客観的に見極める力
原産地:ブラジル・ミナスジェライス州、マダガスカル、タンザニア、インド、中国、カナダ、フィンランド、日本など
組 成:(K,Na)Cu₂+7AlSi₉O24(OH)₆・3H₂O
硬 度:2.5~3.5
比 重:2.9
グリーンマイカと組み合わせると良い石
・チャロアイトは「多面的に物事を見て好機を得る」
・シトリンは「プラスになる判断を行い財運アップ」
・アマゾナイトは「ネガティブな感情を払い、明るい気分をもたらし希望を得る」
・クリスタルは「邪気を払い幸運を招く」
グリーンマイカのヒーリング
・物事を多面的に見る視点
・客観的に見極める力
・思考の柔軟価
・自分らしさの確立
・自分らしく生きるのをサポート
・ストレスの緩和・解消
・自信を取り戻す
・心の癒やし
グリーンマイカの浄化・お手入れ
クラスター ◎
セージ ◎
太陽光 ×
月光 ◎
浴水 ×
グリーンマイカのまとめ
グリーンマイカは、世界中で産出されて種類が多いマイカグループのなかでも、深い緑の色合いと内包する金属質の輝きが非常に美しい天然石です。マイカ自体、古くから絶縁体などの工業用素材や化粧品としてなど幅広い分野で活用されてきた馴染み深い石でなこととともに。客観的な視点を得るといった石の意味や強いヒーリング効果が期待できる石としても有名です。一つの物事に固執してしまってなんだか上手くいかないといった悩みを持つ方や、ストレスが溜まってどうにもイライラしてしまうという方におすすめですので、ぜひ一度チェックしてみてください。