「カルサイト」は世界中で採掘され、建築建材の大理石として様々なことに昔から利用されてきました。各国の人々の生活に根付いているため、世界で最もメジャーな石と呼ばれる事もあります。
また、理科好きの方にはカルサイトの名前ではなく「方解石」の名前で聞き覚えのある方がいるかもしれません。この石を通して物を見ると2重に見える現象「複屈折」の実験を学生時代にされた方も多いようです。
今回は、様々な用途で利用されてきた「カルサイト」について詳しく紹介していきますので最後までお読みください。
カルサイトの豆知識天然石コラム
産地について
カルサイトはメキシコ・アメリカ・アイスランド・ブラジルなど世界各地で産出されています。日本でも、東京都青梅市・群馬県の吾妻川・沖縄県石垣島のトムル崎周辺など各地で発見されています。
名前の由来について
カルサイトの名前の由来は、ラテン語で「calcit(石灰)」が語源と言われていて、語源の通り石灰が主成分の石となっています。
和名の方解石の由来は、ハンマーなどで叩き割った時の破片が、菱形に割れることから名付けられたと言われています。方解の方は立方体を想像させてしまうので菱形に割れるニュアンスが伝わりにくいですね。
カルサイトの見た目と輝きは?
カルサイトはガラスの様なキラキラとした光沢を持つ石です。純粋なカルサイトは無色~白色ですが、中身の成分によって様々な色合いとなりますので代表的なカラーを紹介していきます。
- グリーンカルサイト:ニッケル含有
- イエローカルサイト:鉄分含有
- ブルーカルサイト:ストロンチウム含有
- ピンクカルサイト:マンガン含有
この他にも含有物の種類や量によって様々なカラーのカルサイトがありますので、全ての色をコレクションしてみるのもコレクター心をくすぐっておもしろそうですね。
カルサイトの石の意味・石言葉
カルサイトは「新たな可能性を引き出す石」と言われていて、いくつかポジティブな石の意味があります。
- 執着する気持ちを払拭する
- 集中力を向上させる
- ポジティブな行動を行うようサポートする
- プラスのエネルギーを吸収する
- 古い考えから脱却する
カルサイトにはその他、色ごと与えられた石の意味がありますので簡単に紹介します。
- グリーンカルサイト:感情を整えて心のバランスを保つ
- イエローカルサイト:精神を前向きな方向にする
- ブルーカルサイト:コミュニケーションを円滑にする
- ピンクカルサイト:愛と平和
何か新しいことを始めたい方は無色のカルサイト、色別の石の意味にマッチした願望がある方はそちらを選んでいただくと良いでしょう。
こんなアイテムに加工されています
カルサイトは丸玉のブレスレットに加工される場合が多く、大きめの石は置物用の原石として販売されています。
工業的には大理石や石灰岩として利用され、住宅用の建材や、マンションやビルなどの玄関やロビーなど様々な場所で使われています。
余談ですが、羅針盤が発明される以前のヨーロッパでは、雨の日や曇りの日に太陽の位置を確認する道具としてもカルサイトが利用されていたと言われていて、ヨーロッパでは「迷いを払拭し正しい道に進みたい」と思っている方に愛用されています。
カルサイトの基本情報(和名・原産地・硬度など)
和 名:方解石(ほうかいせき)
色 彩:無色透明、黄色、橙色、ピンク色など
原産地:メキシコ・アメリカ・アイスランド・ブラジル・日本
組 成:Ca[CO3] 硬 度:3.0
比 重:2.69~2.82
光沢:ガラス光沢
劈開性:完全
カルサイトの浄化・お手入れ
クラスター:〇
セージ:〇
日光浴:〇
月光浴:〇
水浴:✕
カルサイトのまとめ
今回ご紹介したカルサイト、アクセサリーから建築用建材まで様々な用途に使用されていますが、なんと中国では「体内の老廃物を体外に出し、血液を浄化する」石として言い伝えら、今でも細かく微細に砕いて体温を上昇させるための漢方薬として利用されているそうです。
さらには、カルサイト(方解石)は形成時に大気中の二酸化炭素を取除くため地球温暖化の抑制にも貢献している石と言っても過言ではありません。
これからは大理石の上を歩くときには、カルサイトのありがたみを感じながら歩いてみたいと思います。