皆様、インペリアルロードナイトはご存知ですか?
和名で薔薇輝石(ばらきせき)という名前がつけられた、三斜晶系の結晶を持つマンガン珪酸塩鉱物で、組成としては一般的なロードナイトと同様の鉱石です。
通常のロードナイトと比べて赤みが強く鮮やかなのが特徴で、高品質なものはアクセサリーとしてだけではなくジュエリーとしても扱われます。
ロードナイトは、人間関係を良好にするといった石の意味を持ち、装飾品としてだけではなくヒーリング効果があるとして人気のパワーストーンです。
インペリアルロードナイトは、ピーモンタイトやインカローズなど、よく似た鉱石があり見分けるのが困難だとされていますが、それぞれの石の違いについても紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
インペリアルロードナイトの豆知識天然石コラム
産地について
インペリアルロードナイトは、通常のロードナイトと同じくマンガン鉱床から産出される鉱物です。ロードナイトの有名な産地としてはオーストラリアのニューサウスウェールズ州にあるブロークンヒルやメキシコ・チワワ州、そのほかにロシアやスウェーデン、イギリス、南アフリカ、中国などが挙げられます。日本でも、岩手県にある野田玉川鉱山や愛知県田口鉱山でも産出されるなど、比較的幅広い産地を持つ鉱石でもあります。
一方で、インペリアルロードナイトはロードナイトの高品質なものという前提があり、色が鮮やかな赤色で、最上級品となると透明感のあるものと限られるため、産地は極めて限定的です。現在、インペリアルロードナイトの産地として有名なのはブラジルのミナス・ジュライス州が最高級品の産出地として知られています。
名前の由来について
ロードナイトの名前の由来は、鉱石の色合いがバラの花びらを思わせるということで、ギリシャ語でバラの花という意味のロドン(Rhodon)に因んで名付けられました。そのロードナイトの中でも色合いが美しく、希少性の高いものを通常のロードナイトと区別するため、皇帝や最上級という意味を持つImperialの名前を冠して、インペリアル・ロードナイト、もしくはインペリアル・レッド・ロードナイトと呼ばれています。
和名は薔薇輝石とついていますが、以前は輝石類に属すると思われていたものの実際は見た目が酷似した準輝石構造のマンガン鉱物で、名前はそのまま使われていますが、クンツァイトなどの輝石とは別の種類に属する天然石です。2019年には新種鉱物のビッティンキ薔薇輝石(Vittinkiite)とフェロ薔薇輝石(Ferrorhodonite)をまとめて、薔薇輝石自体が一つのグループとして新しい分類に承認されました。
インペリアルロードナイトの見た目と輝きは?
インペリアルロードナイトは、ロードナイトに比べて赤く鮮やかなのが特徴で、良質なものは透明感がある見た目の天然石です。斑紋上に濃淡があるものがほとんどで、よく見るとまだらに濃淡がついているほか、4価に酸化した二酸化マンガンの影響で、斑紋や葉脈状に黒い模様がついている場合があります。
ロードナイト及びインペリアルロードナイトによく似た鉱物として、ピーモンタイトとインカローズの2つが挙げられます。天然石は同じ模様のものは一つとしてないため、目視で完全に見分けるのは非常に難しいことで知られていることを踏まえ、それぞれの鉱物の見分け方を簡単にではありますが説明します。
ピーモンタイトは、単斜晶系の結晶を持つソロ珪酸塩鉱物でエピドート(緑簾石)などと同じグループに属する天然石です。ロードナイトと同じくマンガンによってピンク色に染まっており、生成する際に細かく鉱物成分が堆積して層となってできるため、縞模様が入ります。ロードナイトも模様はありますが斑状で縞にはならないため、見分ける際は模様がどのように入っているかを確認するとよいでしょう。
インカローズは、主成分が炭酸でロードクロサイトに分類される鉱石で、産地によって色合いが大きく異なる鉱石としても有名です。南米のアンデス山脈、古代インカ帝国があった場所の周辺で産出されることからインカローズと呼ばれており、方解石グループに分類される鉱石で三方晶系の結晶を持っています。ロードナイトに比べて硬度が低く、脆い点が大きな違いと言えるでしょう。
インカローズもマンガン成分によって色づいていますが、ピーモンタイトよりも比較的はっきりと縞模様が入っていることから通常であれば間違えるほど近しい見た目ではありません。また、基本的には模様が入っている方がインカローズらしいとして人気がありますが、透明感があり縞が入らないものを半貴石として扱う場合があり、こちらはインペリアルロードナイトと非常に酷似しています。この場合、インカローズにはマンガン由来の黒い模様が入らない特性から、必ず見分けられるとは言えませんが黒の斑点が入っているかどうかを確認すると良いでしょう。
どんな効果が期待できる石なの?
インペリアルロードナイトは、通常のロードナイトと同様に博愛や愛情、友愛といった石言葉を持っています。育った環境に関わらず、性別、国籍といったお互いの所属を超えて友情を育み、協調性を高めて人間関係をプラスに働かせるといった効果が期待できます。
また、ヒーリングストーンとしても多くの人に愛されており、肉体の回復や精神の疲労、ストレスの緩和といった癒やしの意味を持つ石としても知られています。最近疲れが取れないというような悩みや、人間関係を改善したいといった願いがある際におすすめのパワーストーンと言えるでしょう。
こんなアイテムに加工されています
インペリアルロードナイトは、高品質なものはカット処理を施してジュエリーとして扱われます。不透明のものも人気があり、ビーズやタンブルに加工してアクセサリーなどに用いられることが多い鉱石です。
インペリアルロードナイトの基本情報(原産地や石言葉など。)
和 名:薔薇輝石(ばらきせき)
色 彩:ピンク色、褐ピンク色
石言葉:友愛、博愛、愛情
原産地:オーストラリア、ロシア、スウェーデン、メキシコ、イギリス、南アフリカ、ブラジル、中国、日本など
組 成:(Mn,Ca)Mn₄[Si₅O₁₅] 硬 度:6
比 重:3.4~3.7
インペリアルロードナイトと組み合わせると良い石
・ローズクォーツは「女性同士の友人関係、人間関係を円満にする」
・インカローズは「夫婦円満、恋愛成就などのお守り」
・モリオンは「厄を払い、悪い影響を与えるものを寄せ付けない」
インペリアルロードナイトのヒーリング
・博愛と友愛
・内に秘めた愛情
・疲労の緩和
・肉体の回復
・寛大な心を持つ
・包容力を身につける
・コミュニケーション能力の向上
・人間関係の改善
インペリアルロードナイトの浄化・お手入れ
クラスター ◎
セージ ◎
太陽光 ×
月光 ◎
浴水 ×
インペリアルロードナイトのまとめ
インペリアルロードは、ロードナイトと同じ鉱石ながらも、その美しさと希少性によって特別な称号を得た天然石です。バラの花を思わせる鮮やかな赤色は、心の奥底に眠る情熱を刺激するような鮮烈な印象を与えます。
また、アクセサリーやジュエリーとして人気が高いだけではなく、友愛や博愛といった愛情を司る石の意味を持つことでも知られています。自分とは関わりのない所属の人などとも友愛を育み、近しい人間関係も良好に繋いでくれるといった効果が期待できます。色合いの見事さは他の石と組み合わせることで、また違った魅力を見せてくれますので、ぜひ一度お手にとってご覧ください。