ジプサムという鉱物をご存知ですか?ほとんどの方は聞いたことが無いと思いますが、実はジプサムのお世話になったことがない人はいないというぐらい生活に密着している鉱物なんですよ。
ジプサムが利用される身近なケースは運動会などで活躍する校庭にひく白い線の原料なんです。ジプサムの主成分は硫酸カルシム(CaSO4)で、豆腐を固めるための凝固剤として使われたり、建築材料に使われたり、薬として使われたりと様々な事に利用されています。
今回はそんな天然石界の便利屋さん「ジプサム(石膏)」について詳しくご紹介していきますので最後まで是非お読みください。
ジプサムの豆知識天然石コラム
産地について
ジプサムは世界中で年間に1億トンも産出され、中国・アメリカ・イラン・スペイン・タイなど各国で多く産出していて、特に中国の湖北省応城や湖南省湘潭に多くのジプサムの鉱山があります。日本でも秋田・山形・宮城・福島・石川など各地で採掘されていましたが、1976年を境に天然石膏から化学石膏に切り替えたため工業的な採掘は役目を終えました。
ジプサムの産地で特に有名な場所はメキシコ・ナイカ山で、ニュースでも話題になったのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、2000年に世界最大の石膏の結晶が発見されました。この結晶はまさに映画「インディージョーンズ」に出てくるような柱のような結晶で、これが石膏なのかと世界中で驚きの声が上がりました。
名前の由来について
ラテン語でgypsumは「石膏,石灰」の意味があります。
ジプサムの見た目と輝きは?
ジプサムは多きく分けると3種類に分けられ「セレナイト」「サティンスパー」「アラバスター」と分けることができ、見た目や結晶にそれぞれ違いがあります。
・セレナイト:透明度が高い柱のような結晶で透石膏と呼ばれることもあり、パワーストーンやアクセサリーとして利用されるのはこのタイプのジプサムです。
・サティンスパー:繊維状結晶のジプサムのことです。
・アラバスター:ジプサムの集合体で雪花石膏とも呼ばれています。漫画「ワンピース」の中にアラバスタという砂漠の国が出てきましたが、おそらくこの石の名前がヒントになって名付けられているのかもしれません。
こんなアイテムに加工されています
ジプサムの中でアクセサリーには向いている鉱石はセレナイトで、ペンダントヘッドやブレスレットに加工されています。その他のジプサムは皮脂や汚れを吸着しやすいためアクセサリーには向いていません。
聖母マリアのガラス
ガラスのように透きとおったジプサムはセレナイトに分類され、ヨーロッパでは実際に教会の窓ガラスに利用されていたため「聖母マリアのガラス」と呼ばれていました。
砂漠の薔薇「デザートローズ」
ジプサムの一種に観賞用として人気の「砂漠の薔薇」と呼ばれる石があります。砂漠の薔薇はデザートローズとも呼ばれ、観賞用だけでなく魔除けとしても人気があり、置物などとして現地のお土産さんで販売されています。砂漠の薔薇が出現する場所には、かつて水があったとされ、自然現象で薔薇のような形に結晶が固まったと考えられています。
ジプサムは家づくりに欠かせません
ジプサム(石膏)は家を建てるさいには無くてはならない材料で、実は壁の中身として石膏ボードが使用されていたり、外壁などを塗り固める際には石膏ブラスターという材料が使われるなどしていて、ジプサムが無いと家づくりが進まないといっても過言ではありません。
ジプサムの基本情報(原産地や石言葉など。)
和 名:石膏
色 彩:透明
石言葉:-
原産地:中国・カナダ・オーストラリア・メキシコ
組 成:CaSO4・2H2O
硬 度:2
比 重:2.23
ジプサムのパワー
昔からジプサムは清廉潔白な力を秘め、邪気から身を守る守護石として愛されてきました。
「正しい道を歩ませる」「整理整頓」「内面のバランスの調整」などをバックアップしてくれることでしょう。
ジプサムの浄化・お手入れ
クラスター ◎
セージ ◎
太陽光 ×
月光 ○
浴水 ×
ジプサムのまとめ
「聖母マリアのガラス」「砂漠の薔薇」などロマンチックなイメージから建築材料などの実用的な用途を持つ不思議な鉱石「ジプサム」を今回はご紹介しました。このように同じ鉱物でも様々な顔を持つ天然石が自然界には多数存在していますので、今後もご紹介させていただきます。興味がある方は是非お気に入りに登録しておいてください。最後までお読みいただきありがとうございました。