皆さん「クンツァイト」という天然石をご存知ですか?
ライラックピンクと呼ばれるとても綺麗なピンク色の石で、「スポジュミン」という鉱石の仲間です。
この石は光によっては色合いが変わる多色性という性質をもっていて、普段はピンク色ですが、光を浴びる加減で妖艶な紫色に見えることから「夜の宝石」と呼ばれています。
クンツァイトは「無償の愛」という石の意味を持ち、女性からの人気がとても高い石で、特に上質なクンツァイトは宝石に分離され、見ているだけでスーッと穏やかな気持ちにさせてくれます。
クンツァイトの豆知識天然石コラム
産地について
カリフォルニアのサンディエゴで質の良いクンツァイトが採掘されています。その他の地域では、ブラジル、マダガスカル、アメリカ、アフガニスタンでも発見されています。
名前の由来について
クンツァイトは1902年にカリフォルニア州にあるホワイト・クイーン鉱山で発見されたライラック ピンクのリシア輝石を、宝石学者のジョージ・フレデリック・クンツ博士(ティファニーの副社長)に送り確認してもらったところ、新しい鉱石と認められました。このクンツ博士の業績に敬意を表した、ニューヨークシティカレッジ教授のチャールズ・バスカヴィルが1903年にクンツ博士の名前にちなんでこの天然石に「クンツァイト」と名付けました。
カルフォルニアで発見されたことと、アイリスの花様な色合いをしていることから別名「カルフォニア・アイリス」と呼ばれる事もあるそうです。
同じ鉱物でも色の違いによって石の名前が変わり、緑色ではヒデナイト、黄色ではトリフェーンと呼ばれています。
クンツァイトの見た目と輝きは?
クンツァイトの見た目は光沢があるライラックピンク色で、宝石質の透明な石から半透明のものまであります。カットの仕方で、石の表面に光の筋がでる「キャッツアイ効果」が表れることがあるそうです。
この石のピンク色はクンツァイトに含有されているマンガンの影響で、時間の経過・光・熱の影響で退色する可能性があり、窓際に置いておく事は特に退色するため保管場所には気を付けましょう。
クンツァイトの石の意味・石言葉
クンツァイトの石の意味は、「無償の愛」です。他にもいくつか意味がありますのでご紹介します。
- 見返りを求めない深い愛情
- 純粋無垢な気持ちを呼び覚ます
- 過去の恋愛を払拭し新しい恋にチャレンジ
- 成熟した女性の魅力を引き出す
- 他人への批判を抑える
- コミュニケーション能力を向上させる
- 自分自身を好きになれる
- トラウマからの脱却
- 心を穏やかに保つ
- 母性
ポジティブな気持ちにさせてくれる要素が多く、落ち込んでいる方が身に付けるには最適な天然石ですね。
こんなアイテムに加工されています
クンツァイトは完全な劈開性のため割れやすく、アクセサリー職人泣かせの天然石です。そのため指輪やペンダントヘッドなど大きめのアイテムとして流通していることが多くなっています。ティファニー社が名付けた石の為か、今でもティファニーでは上質なクンツァイトをあしらった指輪などのアクセサリーを販売しています。
またアクセサリー以外の使用法として、クンツァイトはリチウム成分が多く含まれていることから、リチウム電池の原料としても利用されているそうです。現在の生活には無くてはならいリチウム電池の原料になっているなんて、クンツ博士も天国で驚いていることでしょうね。
クンツァイトの基本情報(和名・原産地・硬度など)
和 名:リチア輝石(リチアきせき)・黝輝石(ゆうきせき)
色 彩:ピンク、紫色、緑色、黄色など
原産地:ブラジル、マダガスカル、アメリカ、アフガニスタン・ミャンマー
組 成:LiAl[Si2O6] 硬 度:6.5~7.0
比 重:3.03~3.23
劈開性:完全
クンツァイトの浄化・お手入れ
クラスター:〇
セージ:〇
日光浴:✕
月光浴:〇
水浴:✕
クンツァイトのまとめ
今回ご紹介したクンツァイトですが、発見者であるクンツ博士が副社長のティファニー社は、実はクンツァイトの他にも「モルガナイト」・「タンザナイト」・「モンタナサファイヤ」・「ツァボライト」などいくつもの宝石を命名しています。ティファニーといえば銀細工のイメージでしたが、もともとは宝石がメインの会社だったようです。