皆様、オーピメントはご存じですか?
オーピメントは、単斜晶系の結晶で生成される硫化砒素(ヒ素)の鉱物です。
和名で雄黄や石黄と呼ばれる通り、黄色の見た目が特徴として挙げられます。
光の屈折率が非常に高く、すり潰すと鮮やかな黄色の粉末になるため、古代より世界各地で顔料として使われていました。
また、判断力を高めたり、自信をもたらしたりといった意味を持つパワーストーンとしても知られています。
今回は、そんなオーピメントについて紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
オーピメントの豆知識天然石コラム
産地について
オーピメントは砒素と硫黄が混ざり生成される硫化鉱物で、低温熱水脈鉱床をはじめ、温泉地や金銀が採れる鉱山など、世界中のさまざまな地域で産出されます。主な産地としては中国の湖南省やアメリカ・ネバダ州のゲッチェル鉱山、ペルーのキリヴィルカ鉱山、ルーマニア、イラン、トルコ、日本の恐山などが有名です。
短柱状の結晶状態で産出されるのは稀で、一般的には粒状や葉状、塊状で生成されます。オーピメント単独で採掘されるケースも少なく、多くの場合、同じヒ素の硫化鉱物のリアルガー(鶏冠石)やスティブナイト(輝安鉱)などと共に産出されます。
名前の由来について
オーピメントは古くから黄色や金色の顔料として用いられてきた歴史があります。それにちなみ、ラテン語で黄金の顔料という意味を持つ auri pigmentum と呼ばれ、現在の鉱石名の由来となりました。
日本でも古来より顔料として使われており、石黄という和名が付けられました。また、雄黄という名前でも呼ばれますが、中国ではオーピメントのことを雌黄(しおう)、リアルガーが雄黄と名付けられています。どちらが正しいかは諸説ありますが、一般的には色の濃いものを「雄」、淡いものを「雌」と分けて考えられており、したがって本来はオレンジ色で色みが濃いリアルガーを雄黄とし、オーピメントを雌黄とするほうが正しいとされています。
そのほか、アラビア鉱物書にもジルニーフという名前で記載され、錬金術において重要な役割を果たす鉱石と位置付けられていました。
オーピメントの見た目と輝きは?
オーピメントは石黄の名前にもある通り、黄色い見た目をした鉱物です。光の屈折率が非常に高く、屈折率のみに限ってはダイヤモンドをも凌ぎ、鉱物のなかでも最大と言われています。品質によって色味は異なり、高純度のものはレモンのように鮮やかな黄色で、通常品質のものは黄色~橘黄色の見た目です。
顔料として古くから愛されてきたオーピメントですが、ヒ素と硫黄の化合物ということもあり、人体に悪影響を与える強い毒性を持っています。毒性がありながらも長い間、顔料で使われ続けて来ましたが、黄鉛などほかの黄色顔料が発見されるにつれ使われなくなりました。
どんな効果が期待できる石なの?
オーピメントは判断力を育む石の意味を持っています。
扱う者に知恵を与え、適切な判断が下せるよう成長することで、自信や勇気をもたらすと言われています。そのため、仕事で重要な決断を迫られている人や物事の判断力に自信がない人に適していると言えるでしょう。また、自信を与えると同時に、カリスマ性や風格が備わる効果も期待できるので、事業をはじめたり、リーダー的ポジションについたときにおすすめです。
そのほか、身体と心のバランスを整え、傷心状態を癒やすとも言われています。
こんなアイテムに加工されています
オーピメントはモース硬度2と非常にもろく、毒性も強いためアクセサリーをはじめとした加工品には向きません。顔料としても現在は使われておらず、基本的には原石のまま鑑賞用として用いられます。
オーピメントの基本情報(原産地や石言葉など。)
和 名:雄黄(ゆうおう)/石黄(せきおう)
色 彩:黄色~橘黄色
石言葉:判断力を育む
原産地:中国、アメリカ、ペルー、ルーマニア、イラン、トルコ、日本など
組 成:As2S3
硬 度:2.0
比 重:3.5
オーピメントと組み合わせると良い石
・リアルガーは「心を癒やし、前を向いて歩く勇気を与える」
・水晶は「負のエネルギーを浄化。潜在能力を引き出す」
・タイガーアイは「洞察力を高め成功をもたらす。金運アップ」
オーピメントのヒーリング
・判断力の向上
・自信や勇気をもたらす
・仕事運の上昇
・知性を与える
・カリスマ性を高める
・心身のバランスを整える
オーピメントの浄化・お手入れ
クラスター ◎
セージ △
太陽光 ×
月光 △
浴水 ×
オーピメントのまとめ
オーピメントは美術品作りに欠かせない顔料として使われてきた歴史を持つ鉱物です。判断力向上の意味を持つ石としても知られており、カリスマ性を高める効果も期待できるので、仕事で成功を収めたい人や仲間をリーダーシップを手に入れたい人などに人気があります。
毒性を持つヒ素と硫黄の化合物ということで、怖い印象を持つ人も多いかと思いますが、観賞用の置き石として非常によく映えますし、パワーストーンとしてもよい意味を持っています。現在は一般的に顔料としては流通していませんが、顔料に加工して使用している人もいるようです。そんなオーピメント、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。