印相とは?
印相とはその人が普段使っている印鑑を通じて、運勢やこれからの運命などを占う占術です。かの有名な中国の偉人、孔子は「人は印なり。印は人なり。」という言葉を残しており、それだけ印鑑は持ち主の分身であり、魂がこもったものだとして丁重に扱われてきたのです。
印鑑の状態や質、形などさまざまな要素から鑑定して、現在の持ち主の運勢を占えるところが印相の特徴です。現代はデジタル化が進み、ハンコレスの文化も浸透しつつあります。しかし、印鑑は日本でも古来より、婚姻届けや住宅の購入など、人生の転機に当たるシーンで必ず印鑑を使用してきました。
そのため、印鑑には人生に影響を与える力があると考えられているのです。
印相の歴史
印相の歴史は陰陽師の安倍晴明から普及していったと言われています。安倍晴明は陰陽師として知られる有名な人物ですが、陰陽道に精通していると同時にさまざまな中国由来の占術や統計学を伝えてきました。
そのため、安倍晴明の十五代目にあたる安倍有宗入道が、持ち主の印鑑を見て吉凶を判断する印相占いの基礎を築きました。高い的中率を誇り、評判を集めたのです。
そして江戸時代に入ると、印形占いや判はんじの名前で印鑑で運勢を鑑定する占いが発展していきました。江戸時代の頃は印鑑は命と変わらない重要なものであり、常に首にかけて絶対に肌身離さないでいるようにと言われたほど、庶民の間で重要なものでした。
この時代に流行した花押印は、実際に印鑑として使えるだけでなく、身を守るためのお守りとしても扱われてきました。
印相の種類
印相占いは印鑑そのものを宇宙として考え、そこに中国の九星や方位学を取り入れて状態や形などで運気を占います。
印鑑占いでは牡蠣の8つの方位を元に占っていきます。あらかじめ占いたい内容を決めておき、そのテーマに沿った運気をチェックします。
九紫火星…出世・成功
二黒土星…仕事・愛情
七赤金星…金運・社交
六白金星…蓄財
一白水星…不動産・晩年期
八白土星…健康・家庭
三碧木製…発展・事業
四緑木星…才能・商い
印相で占える種類は、仕事運や出世運にはじまり、恋愛にまつわることや金運、晩年の運勢までとても幅広いです。
印相占いの魅力は現状の印鑑があまり持ち主に適さないものだったり、運気を下げる原因になる状態だったりしても、新しく作り変えられる点です。印相占いを通じて、自分に合った印鑑を作れば運気回復に役立てられるのです。
印相のやり方
印相占いのやり方は、普段使っている印鑑と、朱肉を用意するだけで簡単に調べられます。
くわしく印相占いを行いたい場合は、詳細な部分まで見極められるプロの鑑定士に依頼しましょう。
ここでは印相占いの基本的なやり方をご説明します。
印鑑の材質を見る
印鑑は紙に押したときの状態だけでなく、使っている材質もチェックします。印相占いで吉とされている素材は、象牙や水牛、拓殖などです。
一方で、欠けやすい水晶やルビーは取り扱いに注意が必要です。汚れたままだったり、欠けたりしている印鑑を使い続けると、運気が下がってしまうため新しい印鑑に切り替えましょう。
また、夫婦の場合は印鑑の材質がそろっていないと、夫婦仲が円満になりづらいため、そろえることを推奨しています。
印鑑の形を見る
印鑑そのものの形も印相占いで見るポイントです。おすすめは円型の印鑑で、細長い小判型は金運や良い運気に恵まれにくいと言われています。
また、四角形の印鑑は対人関係に恵まれると言われています。
ちなみに安価で出来合いの印鑑、通称三文判は、三文の価値しかない人生を歩む危険性があり、印相占いでは避けるべきものだと言われています。運気の上昇には、オーダーメイドで素材や形にこだわった印鑑に切り替えることをおすすめします。
押した印鑑の状態を見る
最後に朱肉を使って実際に紙へ印鑑を押して、文字や形を見ます。
気を付けたい印鑑は、文字や輪郭の一部が欠けている状態で、一般的に凶相印と呼ばれており災いを引き寄せる原因につながります。また、文字が斜めだと鬼門を向いているため、鬼門の印として金運や対人運に悪い影響が出やすいと言われています。
印相のまとめ
印相占いは中国から日本に伝わり、江戸時代に大流行しました。今でも判を捺すシーンは、大きな買い物や契約、仕事にまつわる重要な書類など、人生に影響を及ぼすことが多いものです。だからこそ、印鑑は人の魂であり分身だと考えられているのです。
運気の低下を感じている方や、人生で成功をおさめたい方は、ぜひ印鑑を見直してみてはいかがでしょうか。