皆様、アレキサンドライトはご存知ですか?
和名を変彩金緑石と呼ぶ斜方晶系の酸化鉱物で、クリソベリルの変種として、キャッツアイと同様のグループに所属する鉱石です。
クリソベリルは黄色の天然石として知られていますが、アレキサンドライトは色合いが変わる珍しい特徴があり、変色しなければアレキサンドライトといわれることはありません。
変色するメカニズムとしては、内包するCr(クロム)量の影響により可視光線のスペクトルに合った変色を起こし、太陽光の下では緑色に、電灯などの白熱灯の下では赤色に変化します。
発掘当初は太陽光の影響を受けていて緑色だったためエメラルドだと思われていましたが、人工光の下で色が変わると気が付いてからは、ジュエリーとして高い価値を得ることとなりました。
そんな、アレキサンドライトについて紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
アレキサンドライトの豆知識天然石コラム
産地について
アレキサンドライトは、ロシアのウラル地方にあるエメラルド鉱山で発見されました。現在は、主にブラジルのミナス・ジュライス州やスリランカのラトゥナプラで産出されるほか、インドのナルシパトナム、タンザニア、モザンビーク、マダガスカルなどで発掘されています。全体的に産出地は多いものの小粒なものや品質の低いものが多く、1カラット以上の高品質なものは非常に希少です。
ブラジル産は色彩鮮やかで高品質のものが産出されることで有名ですが、1870年にミナスジュライス州にあるエマチータで大量に発見された際には短期間で乱掘され、現在では高品質なものは枯渇傾向にあります。ロシアでも近年では最上級のものは稀で、インクルージョンの多い色味の鈍いものがほとんどとなりました。スリランカ産は発掘量が多く、時には大型の原石も産出されますが、太陽光下では黄色が強く電灯の下では赤みが弱い宝石としての品質はやや低めのものが取れることで知られ、最近はマダガスカル産のクオリティが高いとして今後の産出を期待されるなど、産地により品質にばらつきのある天然石といえます。
名前の由来について
アレキサンドライトの名前の由来は、ロシアで1830年に発見された際にロシア皇帝に献上されましたが、皇太子アレキサンドル2世の12歳の誕生日だったことから、それにあやかりアレキサンドリアと名付けられたという逸話があります。変色するという特性が珍しく民の間では神のいたずらではないのかとありがたがられたことに加え、当時のロシア軍の制服に緑と赤が使われていたために国中で愛され、皇帝の石や魔法の宝石などの名前で呼ばれていたともいわれる鉱石です。
アレキサンドライトの見た目と輝きは?
アレキサンドライトは、ジェムクオリティに使われる高品質なものは、青みが強く鮮明な赤に変色し、透明度が高いものが選ばれます。天然のものはインクルージョンが入りやすい傾向があり、それにより色が弱くなるなどの影響がでると価値が下がるため、通常は傷やインクルージョンが肉眼で見えにくいものが高価です。一方でインクルージョンが並行に入ったアレキサンドライト・キャッツアイは希少な高級品として知られています。
人工的に作成された合成アレキサンドライトは、フラックス法や結晶引き上げ法、フローティング・ゾーン法など様々な製法があり、天然ものに近い色彩の石はそれなりに高く取引されていますが、色味の薄いものや変色が弱いものはリーズナブルで、天然のものでも黄色の強いものや褐色のような色味のものは、比較的手ごろな価格で購入できます。
どんな効果が期待できる石なの?
アレキサンドライトは、皇帝や貴族、富豪などが愛用してきた歴史もあり、高貴や繁栄、魔除けのお守りという石の意味を持ち、才能の開花や行動力の向上、想像力を高める、仕事での成功など、能力を高める方面の効果も期待されています。目標に対しての伸び悩みを感じる方や、自信が持てずネガティブになってしまう方におすすめの天然石です。また、太陽光と電灯光で色合いが変わることから、情熱と安らぎという二面性のある石言葉も持っており、恋愛面では胸の内に秘めた想い、内面に向き合い花開かせる、自分の中で想いを育むといった効果があるとされています。
こんなアイテムに加工されています
アレキサンドライトは、ブリリアントカットとステップカットのミックスカットを施されることが多く、その他にもさまざまなカットで加工され、指輪やペンダントトップなどのジュエリーとして使われることが一般的です。品質の高いものはブレスエットなどのアクセサリーとして使われることはあまり多くはありませんが、黄色の強い天然石や合成のものはビーズなどに加工し販売されることもあります。
アレキサンドライトの基本情報(原産地や石言葉など。)
和 名:変彩金緑石(へんさいきんりょくせき)
色 彩:太陽光/緑色~青色、白熱灯/赤色、赤紫色
石言葉:才能開花、能力向上など
原産地:スリランカ・ラトナプラ、ブラジル・ミナスジュライス州、ロシア・ウラル、インド・ナルシパトナム(はじめはヴィシャーカパトナム)、タンザニア・マニャラ、モザンビーク、マダガスカル
組 成:BeAl₂O₄
硬 度:8.5
比 重:3.7
アレキサンドライトと組み合わせると良い石
・ミルキークォーツは「優しさを持ち、悪いものを寄せ付けない」
・ガーネットは「情熱を燃やし、内なる想いを成就させる」
・スギライトは「心に安らぎをもたらし、リラックス効果を得る」
・アイオライトは「進むべき道を指し示し、目標を達成する」
アレキサンドライトのヒーリング
・才能の開花
・行動力の向上
・想像力を高める
・仕事での成功
・自信をもたらす
・能力を高める
・情熱と安らぎ
・胸に秘めた想い
・良い未来への展望を示す
アレキサンドライトの浄化・お手入れ
クラスター ◎
セージ ◎
太陽光 ○
月光 ◎
浴水 ◎
アレキサンドライトのまとめ
アレキサンドライトは、光の種類により色合いを変わる特徴を持ち、昼と夜や屋内外で表情が違う二面性が魅力的な、大変美しい天然石です。透明度が高く変色が鮮明なものは貴族などの高貴な存在に愛されてきた歴史があり、現在でもコレクターが多くジュエリーとして人気を集めています。
潜在能力を開花させ、自信を持ち行動力を向上させるという石の意味があり、チャンスをしっかりと掴みたい、目標を達成したい、仕事で成功をおさめたいという方におすすめの天然石です。恋愛面でも想いを胸に秘め、余所見をせず前に向いて歩けるような効果が期待できますので、ぜひチェックしてみてください。