フォーダイトの豆知識天然石コラム
産地について
フォーダイトはアメリカのデトロイトで見つかる人工鉱物です。
自動車の塗装に使われていたエナメル塗料がそのまま地面で固まり、層になったものこそがフォーダイトです。昔の自動車塗装はすべて手作業で、スプレーの吹き付けが主流でした。
そのため、自動車のボディに付着しなかった余分なト勝が作業現場の地面や道路、荷台、周囲の小物などに付着していたのです。
自動車工場としての稼働が長いほど、そのエナメル塗料の層は厚くなっていったのです。塗料を塗り硬化させるための高熱処理を何千回と繰り返した結果、分厚くなったエナメル層を取り除く必要が出てきました。
いざ削り出してみると、カラフルな塗装によって生み出される繊細な層がまるで天然鉱物のメノウのようであることから、デトロイト瑪瑙(メノウ)とも呼ばれるようになったのです。
ちなみに自動車の生産が盛んだったアメリカのミシガン州デトロイトでの産出が主流ですが、ほかのヨーロッパの国でもまだスプレーの塗装が定番だった時代の塗装の層がある地域で、フォーダイトと似たものが見つかることもあります。
現在は塗料の細かい粒を静電気の力で直接、車のボディの鋼板に吸着させるため過剰な吹き付けはほとんどありません。かつて自動車生産が生まれ、活発になっていった時代だからこそ生み出された人工鉱物なのです。
名前の由来について
フォーダイトは当時の主流だった自動車メーカー「フォード(Ford)」と、産地の「デトロイト(Detroit)」、そこに瑪瑙のアゲートの「a」をつないだ言葉です。
フォーダイトはデトロイト瑪瑙、自動車瑪瑙などいろいろな呼び名があります。
名前のとおり、デトロイトで生み出された人工鉱物であることからデトロイト瑪瑙と呼ばれます。ほかにも自動車の塗装から作られた鉱物として、自動車瑪瑙の別名も存在します。
瑪瑙とは石英、玉髄、そしてたんぱく石の混合物によって生まれる天然の石です。異なる成分が生成過程で固まっていくことで、薄い帯状のカラフルな模様を持ちます。
飾り石として古くから重宝されてきた鉱物で、フォーダイトも瑪瑙のような層や帯状の美しい模様を持っていることから、デトロイト瑪瑙と呼ばれるようになりました。
フォーダイトの見た目と輝きは?
フォーダイトは自動車の塗装に使われていた色がそのまま薄い層になっています。そのため、決まった色はなく、その時に吹き付けられた塗装が固まった順番で色が続いています。
主に赤色、黒色、黄色、緑色や青色といったあざやかなカラーが多く、当時自動車産業が活性化していた時代の車のカラーがわかります。透明感はなく、エナメル塗装ならではのつやつやとした質感が特徴です。
フォーダイトを削りだし、研磨することでさまざまな模様を生み出しています。
どんな効果が期待できる石なの?
フォーダイトはエナメル塗料の塊のため、パワーストーンとしての意味合いは現在存在しません。
しかし、フォーダイトそのものがアメリカの自動車産業の歴史を示すもので、1940年代当時の様子がそのまま形として残った味わい深い人工鉱物です。
ちなみに1960年代に入ってからは、茶色以外のボディカラーも頻繁に使われるようになったため、カラフルなフォーダイトが生まれました。
こんなアイテムに加工されています
フォーダイトは研磨して模様を出したものを、キーホルダーやインテリア用品に加工しています。
大きなフォーダイトはそのまま部屋に飾るインテリアとしても販売されており、独特のカラフルな見た目と塗装によって生み出される不思議な質感が人気です。
フォーダイトの基本情報(原産地や石言葉など。)
和 名:フォード石・自動車メノウ
色 彩:黒・赤・緑など
石言葉:特になし
原産地:アメリカのデトロイト
組 成:塗料による
硬 度:塗料による
比 重:塗料による
フォーダイトと組み合わせると良い石
フォーダイトと同じく人工鉱物との相性が良いとされています。具体的には人工ダイヤモンド、人工クォーツ、雲母などがあります。どれも工業的規模によって生み出されたもので、非常に純度が高い鉱物を生み出せるところも特徴です。
天然よりも純度が高いからこそ、高値で取引されているものも多いです。
フォーダイトのヒーリング
完全に人工的な塗装の重なりで生まれた石のため、天然石としてのヒーリングはありません。
そのメノウに似た見た目から、装飾物として親しまれてきました。
フォーダイトの浄化・お手入れ
フォーダイトはエナメル塗装のため、特にお手入れ方法に制限はありません。
汚れもつきづらいですが、気になるときはやわらかいクロスでふき取るなどアクセサリーと同じく、お手入れをすると清潔に保てます。
クラスター 〇
セージ 〇
太陽光 〇
月光 〇
浴水 〇
フォーダイトのまとめ
フォーダイトはアメリカの自動車産業が活性化した1940年代から生まれるようになった人工鉱物です。
パワーストーンとしてのヒーリングは現在ありませんが、人工鉱物ならではの美しさを楽しめます。当時の姿を見られる貴重な資料でもあるため、興味がある方は購入してみてはいかがでしょうか。