皆様、パロサントはご存知ですか?
和名を本緑壇という中南米を原産とする、フランキンセンスなどと同じカンラン科に属する天然木です。
先住民のネイティブアメリカンが体の不調に対する治療で使っていたとされており、現在でもシャーマンが儀式や浄化などに用いるなど地域に根づき愛されている木として有名です。
近年、一般的に認知されてきて、その心落ち着く甘く豊かな香りで、香木以外にアロマ用のエッセンシャルオイルとしても使われるようになりました。
そんなパロサントについて紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
パロサントの豆知識天然石コラム
産地について
パロサントは、中米・南米を原産とする野生樹です。産地は主にペルーやエクアドル、アルゼンチン、パラグアイなどの沿岸地域が挙げられ、そのなかでも特にペルー産のパロサントは香りが強いため人気があります。しかしながら、パロサントの木は育ちにくいことでも知られており、乱獲によって絶滅の危機に強い懸念を持ち、現在はワシントン条約によって保護する対象に指定されています。そのため、野生の木は伐採が規制されており枯れた木を採取しているほか、栽培も認定農家や企業しか取り扱いができず、輸出入の制限により近頃の人気と反比例して非常に希少で「幻の香木」と呼ばれています。
名前の由来について
パロサントは、インカ帝国時代から使用されていた歴史があり、ネイティブアメリカンの間で治療薬として、そのほかシャーマンが行うアヤスワカの儀式などでも浄化香として使われていたことから、スペイン語で聖なる木という意味のPalo Santoと名付けられました。教会での礼拝において薫香・香木として用いられており、英名でも同じく聖なる樹(Holy Wood)と呼ばれています。
日の光によって緑色に見えることから和名に緑壇とついていますが、この緑檀と呼ばれる木は実のところ2種類あります。もう一つはハマビシ科ユソウボク属で世界一の硬さと重さを誇るリグナムバイタが緑壇の名で知られていますが、パロサントとは種類が違うため注意が必要です。また、香木として知られているパロサントはカンラン科の植物ですが、同じパロサントという名前でハマビシ科の木があり、こちらも甘い香りがすることに加え硬く重い性質があるため、全てが混同されてしまい大変ややこしい状況と言えるでしょう。パロサントの2種はハマビシ科の方が色濃いため、並べてみると一目瞭然です。
パロサントの見た目と輝きは?
パロサントは、基本的に枯れ木を香木として使用しており、見た目上は比較的明るめのナチュラルウッドカラーです。ハマビシ科のパロサントは緑色で重めのカラーリングになるため、流通されているビーズで着色していないものの色合いが濃いものはこちらの木の可能性があります。
どんな効果が期待できる石なの?
パロサントは、樹脂の含有量が多く香りが強めの香木で、火をつけて燃やすと炭化する際にバニラを思わせる甘い薫香を放ちます。蒸留してエッセンシャルオイル(精油)にできる量は極めて少なく、蒸留後のオイルの主たる成分はモノテルペン類のリモネンで、次いでメントフランやα-テルピネオールが含まれています。リモネンはリラックス効果が期待できる成分とされており、香りの特徴としてはレモンなどの柑橘類に近い印象を受けます。
パロサントは中南米の先住民の間では治療用として使われていた歴史があり、呼吸器系の治療や鎮痛、発熱、感染症、皮膚病などさまざまな症状に対して用いられていたとされています。それ以外にも、薫香を場の浄化に使用したり、インカ帝国では悪い精霊を追い払い良い精霊を引き寄せるアニミズムのお守りとして使われていたりと、ヒーリングや魔除けのお守りとして扱われてきたことにより、現在でも魔除けや浄化の効果が期待できるヒーリングアイテムとして人気があります。そのほか、想像力を高める効果や気持ちの鎮静作用による瞑想の補助など内面・能力の向上やリラックス効果が期待できるでしょう。
こんなアイテムに加工されています
パロサントは、原木をスティック状やチップ状に加工して香木として使用することが多い天然木です。そのほか、ビーズにしてブレスレットなどのアクセサリーに使われることもあります。また、蒸留して精油にし、アロマオイルや香水に用いられます。
パロサントの基本情報(原産地や石言葉など。)
和 名:本緑壇(ほんりょくだん)
色 彩:淡黄白色
石言葉:魔除け、アニミズム、浄化、幸運
原産地:ペルー、エクアドル、アルゼンチン、パラグアイなど。中米・南米沿岸地域
組 成:鉱物でないため不明
硬 度:1~2
比 重:0.2~0.3
パロサントと組み合わせると良い石
・ラリマーは「負の感情を払い、心に深い癒やし」
・タイガーアイは「洞察力の向上。最良の未来を見通す」
・翡翠は「心を落ち着かせ、よりよい眠りをもたらす」
・アメジストは「周囲との調和を助け、人間関係を向上させる」
パロサントのヒーリング
・リラックス効果
・ストレス解消
・不安の除去
・悪い精霊を排除し、良い精霊を迎える
・想像力の向上
・自然信仰
・瞑想サポート
・魔除け
パロサントの浄化・お手入れ
クラスター ◎
セージ ─
太陽光 ◎
月光 ◎
浴水 ×
パロサントのまとめ
パロサントは、浄化の儀式や治療用として古代インカ帝国時代から珍重されてきた歴史を持ち、現代ではその豊かな甘い芳香を活かして、香木として愛されている天然木です。また、精油を用いてアロマテラピーに使用するほか、アクセサリーにも用いられるなど多方面で人気を博しています。リラックス効果や想像力を高めるといったヒーリング効果のほか、魔除けなどの効果が期待できるとされており、気持ちが落ち着かなかったり不安感やストレスに苛まれている方や、住環境を浄化したい方などはぜひチェックしてみてください。